従業員不足で予約断る…ホテル業界が危機、コロナ離職で好条件の他業種に人材流出

2023.07.28

 

そしてせっかくの需要回復を一部のホテルは指をくわえて見つめているが、受け入れ態勢の問題があるからだ。長く続いたコロナ禍の影響で、従業員の数を絞り込んだのだが、いざ景気が回復して従業員を呼び戻そうにも、すでに他業種などに転職して雇用がままならないのだ。ただでさえ不規則な勤務時間、神経をすり減らす接客業務、少ない報酬でリクルーティングが厳しい業界であったのが、経済の回復にしたがってより良い条件のところに人が流れてしまっているのだ。リネンの交換や客室清掃についても、コロナ禍を契機に高齢従業者が引退し、外国人労働者もコロナ禍で帰国後は円安の日本での労働に魅力を感じない人が増え、いまだに続く入国規制もあいまって、思うようにはならなくなっている。
したがって稼働をもっと増やしたいと思っても、サービス要員が足りずに顧客からの予約を泣く泣くキャンセルしているような事例が頻発しているという。予約しようとして満室だとして断られるケースでも、実際には人員が追い付かず稼働率を100%には持っていけないホテルが多く存在しているのだ。

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村松社長

旅行産業界に身を置いてはや45年。シンガポール航空社の日本でのB2Bリーディングカンパニーから京都の制御機器メーカー傘下旅行社を経て起業して以来早くも28年目に入りました。このコロナ禍で本当の旅行情報を発信するために旅行WEBマガジンを令和3年に立ち上げる。専門は海外の出張など。趣味:散歩ついでのお地蔵さん・神社お詣り、銭湯巡り、映画鑑賞。